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JCD NOW!

JTBコミュニケーションデザインの様々な取り組みをご紹介します。

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「人」「企業」「まち」と創る商業施設の新たな集客ビジネスの未来

持続可能な商業施設の活用方法とは?
「東急プラザ渋谷Hawaiian Festival」事例紹介

新型コロナウイルス収束の兆しが見えないという状況で、商業施設においてもコロナ禍前と同じような集客は難しく、そのまち自体への集客誘致も踏まえた新たな事業モデルへの転換が求められています。そこで今回は、JCDコーポレートソリューション部の松村と滝川が、2022年11月15日~23日の9日間にわたり開催されたイベント「東急プラザ渋谷Hawaiian Festival」を事例に、イベント開催までの流れの中で見えてきた商業施設の有効活用と集客方法の新しいカタチ、そして、これからのまちづくりの可能性について語ります。

販促費だけに頼らないイベント手法で
商業施設の空きスペースを有効活用

滝川 貴志

滝川
JCDでは2019年から東急プラザ渋谷やバスターミナル、オフィスビルなどからなる渋谷駅前の複合ビル「渋谷フクラス」1階で観光支援施設「shibuya-san(シブヤサン)」の運営を行なっています。(事業主体:東急不動産株式会社様)この施設は観光案内所としてだけではなく、ツーリストや地元の人々が"つながり、交わる"拠点としての役割も担っています。しかし2020年春以降、新型コロナウイルス感染拡大によって「shibuya-san」はもちろん、渋谷のまちを訪れる人が激減してしまいました。

松村
そもそも新型コロナウイルスが感染拡大する前からオンラインストアの利用者は増えていましたが、コロナ禍の影響でオンライン接客やオンラインショッピングがより加速していったことで、企業(業者)もリアル出店を控えるようになりました。徐々に人が戻ってきているとはいえ、コロナ禍前と比較すると集客に苦戦している商業施設は多いと感じています。

滝川
イベント運営に関してもコロナ禍で人が集まりにくいという厳しい状況の中で、広告主から広告費をお預かりしその予算内でイベントなどを行うという、従来のスキームには限界があると感じています。一過性のイベントではなく、「コミュニケーションをデザインする」というJCDならではの強みを活かして、新たな集客の手法を創出しなければ「持続可能なビジネス」は実現できないと危機感を抱いていました。

松村 成史松村
そこで私たちは新たな事業モデルとして、クライアントの広告費や販促費だけに頼ることなく、自主事業のような形でイベントを企画立案し、賛同いただけるスポンサーを募って「東急プラザ渋谷Hawaiian Festival」を開催しました。このイベントを進めるにあたって、「渋谷」という街が持っている価値を最大化させるため、また私たちが掲げる「渋谷にお客様を集めたい」という目標達成のために、「ハワイ」というコンテンツに着目しました。「ハワイ」がテーマのイベントは、渋谷だけではなく、全国においても人気があるということは疑う余地はありませんが、数々のイベントを手掛けるJCDの知見を共創し、新しいカタチのイベントへと作り上げていきました。

渋谷のまちのポテンシャルを活かした
ハワイアンフェスティバルを実現

滝川
私たちはこれまでも観光支援施設である「shibuya-san」で、「大人の休息 旅する高野山」「イタリアンフェスティバル」「おいでよおきなわ、おいでよやんばる展」など様々な観光イベントを多数開催していて実績は積み上げていました。これらのイベントの延長線上にあったのが「ハワイ」という人気コンテンツです。

日本各地で開催されているハワイイベントを、切り口で差別化を図ることで、来場者はもちろん、一緒にイベントを創りたいと思っていただけるパートナーを集めることもできるのではと考えました。
そこで着目したのは、ハワイ州観光局様が推奨するレスポンシブル・ツーリズムのスローガン「Malama Hawaii(マラマハワイ)」です。「東急プラザ渋谷Hawaiian Festival」では、"マラマハワイ=ハワイを想う心"を重要なキーワードとして展開しました。このコンセプトは、サステナブルなハワイ観光を実現するための重要なポイントになっています。

※レスポンシブル・ツーリズムとは...観光客が意識や行動に責任を持つことで、より良い観光地形成を行っていこうという考え方

松村
ハワイ関連のイベントであればなんでも良いというわけではありません。協賛企業やメディアパートナーを含め「協力したい!」「仲間に入って一緒に何かを創りたい!」と思っていただけるようなコンセプトや切り口(視点)を用意することが大切です。
イベント期間中は、東急プラザ渋谷全館で、自然に優しい素材を使ったワークショップができたり、期間限定ショップでメイド・イン・ハワイのアイテムを買えたり、会場各フロアにスタンプテーブルを設けハワイグッズが当たるスタンプラリーを開催しました。来場者が持参した紙パックをフラガール模様のトイレットペーパーに交換する取り組みやトイレットペーパーで作成したハワイアートを活用したプレゼント進呈といった、環境への取り組みを意識した催事も行いました。さらに東急プラザ渋谷のショップやレストラン14店舗にもお客様への特典やサービスの提供にご協力いただいたことで、施設に人を呼び込むことができ、テナントの皆様にも喜んでいただけました。

イベント風景

滝川
今回、東急プラザ渋谷へ多くのお客様を誘致することができたのは、「渋谷」というまちが本来もっている圧倒的なパワーや価値によるところが大きかったと思います。また、渋谷区観光協会様に特別協力として参画いただけたこともイベントの盛り上がりにつながりました。今後も東急不動産様や多くの企業、団体の方々と共に連携しながら、渋谷エリアの至る所でハワイアンフェスティバルを開催できたらと。1カ所に限定するのではなく、もっと広く展開していくことで渋谷エリア全体を盛り上げていきたいと思っています。

松村
今回はオープニングパーティーも行いましたが、東急不動産様をはじめ、協賛企業やメディアパートナーなどから、「交流できる機会を設けてもらえてよかった」とのお声もたくさんいただきました。当社が目指す、「人」と「企業」と「まち」をつなぎ、持続可能なコミュニケーションの提供の場を作れたと思いますし、私たちにとっても次のビジネスにつながる転機になりました。

イベント風景

"まちのメディア化"で
渋谷エリアの活性化をサポート

滝川
今回の東急プラザ渋谷のハワイイベントでは、本来の目的だった人を集めるというミッションはクリアすることができました。しかし、このイベントはあくまでも最初の1歩。他のエリアやスペースとも連携し、相互誘客・送客ができる仕掛けや取り組みをしていくことで、渋谷エリアの活性化や、まちづくりに貢献していければと思っています。これは観光案内所の本来の指名でもあると思っていますし私たちの重要な役割だと思っています。

松村
「東急プラザ渋谷Hawaiian Festival」は、渋谷区観光協会様をはじめ、多種多様な企業のお力を借りて、知恵を出し合いながら創り上げていったことで、JCDとしては新しい集客の手法を模索できたと実感しています。渋谷エリアそのものをメディアとして捉え、魅力的なコンテンツを用意し、情報発信をしていけば、今後、もっと多くのお客様が集まるはずです。そうしたお客様に向けてイベントなどプロモーション活動を展開し、メディアとしての渋谷エリアの価値を創造するための調整役ができればと考えています。

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