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2019.02.26
JCDの人事・採用担当インタビュー「JCDの人財戦略」
事業も、人も、実に 「多様」。
「多様性」を活かした強い組織をつくるために。
株式会社JTBコミュニケーションデザイン(以下JCD)は、2016年にJTBグループ内の4社が統合して誕生した会社です。2018年には、さらにJTBグループ内の4社と統合するなど企業体としても変化を続けており、現在、様々なフィールドでコミュニケーションをデザインする8つの事業を展開しています。
多岐にわたる事業領域をもつJCDは、いったいどのような会社なのか、そこで働くのはどのような人財なのか、JCDの人事・採用担当の3名にインタビューを行いました。
8つの事業からなる多様性に富んだJCD
----人事から見て、JCDとはどんな会社ですか。
小泉
JCDは企業イベント、国際会議学術会議等の企画・運営をするミーティング&コンベンション事業、展示会を主催するトレードショー事業、企業のマーケティング戦略に対してプランニングを行うプロモーション事業、組織づくり・人財づくりを総合的に支援するHRソリューション事業、施設・事務局の運営プロデュースを起点として交流によりエリアの活性化を推進するエリアマネジメント事業など、多様な事業領域を持つ、非常にユニークな会社であると考えています。
田口
最近では、スポーツによる地域活性化を目指し、「箱根ランフェス」を企画・実施したり、訪日外国人向けに上質なエンタテインメントを提供することを目指し「万華響-MANGEKYO-」をプロデュースしたりするなど、社会課題に対して新たなソリューションを提供しています。
齋藤
事業が幅広いと同時に、社員のキャリア観も実に多様な会社です。その背景には、社員の多様なバックボーンがあり、新卒入社の社員だけではなく、キャリア入社、グループ内出向、転籍など様々な経歴の社員が働いています。それぞれが自身の専門性を高めていくことを目指し、JCDならではの価値を提供しています。
小泉
当社は多彩な事業に取り組んでいますので、それぞれの事業において必要なスキルや経験値が異なります。また、顧客や社会のコミュニケーション課題を解決するため、それぞれの事業を組み合わせてデザインすることも、求められます。
齋藤
キャリア入社社員からすると自身の専門分野で活躍できる環境がJCDにはすでに整っていますし、新たな仲間とタッグを組んで事業を生み出し、発展させることもできると思います。新卒入社社員にとっても、様々なバックボーンを持つ先輩社員との仕事を通じた挑戦や経験により、将来の可能性が広がると考えています。
「行動指針」で社内の共通認識を深める
----多様な組織風土があるなかで、人事として目指しているところは。
小泉
JCDは2回の統合を経て今の組織になっていますが、同じJTBグループ内での統合とはいえ成り立ちが異なるため、当然、それぞれの社風が異なっていたと思います。2018年には2017年に会社設立2年目を迎えるにあたり策定した、8つの「行動指針 Our Value」は、様々な考え方や強み、勤務スタイルをもった社員に対しての共通理念を示しています。「変化を楽しむ」や「違いを楽しむ」といった項目はとてもJCDらしいと感じており、この行動指針を元に新たな組織風土を構築していきたいと考えています。
齋藤
事業、人、地域といった多様さは、新しい考えや価値が生まれるという良さもありますね。だからこそ、その多様性を最大限に活かしながら、JCD全体としての組織風土を作っていくのが人事としての課題であり、やるべきことだと思います。
田口
日々の仕事に追われていると、意外と自分自身の業務について振り返る時間がとれないこともありますが、そんなときでも、激変する世の中にいることをつねに意識しながら、その変化を前向きに捉えられるような組織になっていたいと思います。
一人一人異なるモチベーションのツボを把握する
----人事として社員のみなさんの状況を把握するために行っていることはありますか。
齋藤
JCDでは、年に1度、「やる気」分析システムMSQという、当社オリジナルのモチベーションサーベイを実施し、社員のモチベーションを把握するようにしています。
田口
MSQでは、「モチベーションの源泉は人それぞれ違う」という考え方を前提としているので、それぞれの社員がどんな要素を重視していて現状それが満たされているのかという点を知ることができます。モチベーションの因子(モチベータ)として、「人間関係」や「プライベート」「報酬」「期待・評価」など、モチベーションを上げるポイントは個々人で様々です。社員それぞれが何を重視しているのかを知ることで、マネジメントに活かすことができます。
小泉
MSQは個人に対してだけではなく、課や事業部の状態を把握するのにも役立っています。全社的にみると、JCDは「適職」「自己表現」というモチベータについて、平均よりも関心が高い結果でした。調査結果を見て、より自分に合った仕事をしていることや自分を表現できていることを重視する傾向が強い社員が多い会社であるとあらためて感じました。
齋藤
社員一人ひとりが主体的にキャリアを積んでいけるような人事制度やキャリアディベロップメントプログラムを用意することは大事なことです。より社員のパフォーマンスを高めるための制度が何か、どのような教育制度を提供していけば良いかと、常に考えていきたいと思います。
積極的に、そして楽しく働けるフォローアップ体制
----JCDの3つのキャリアモデルについて教えてください。
齋藤
JCDでは目指すべき人財として、「Manager(マネージャー)」「Specialist(スペシャリスト)」「Innovator(イノベーター)」という3つのキャリアモデルを定義しています。、そして、それぞれの目指すキャリアに対して、人財育成のためのプログラムも用意しています。
田口
「Manager」はマネジメントを志向する人財、「Specialist」は専門性の高い、いわゆるスタープレーヤーなような存在です。JCDではS社員として認定をしています。「Innovator」は新たなビジネスを生み出し、実行できる人財のことを表しています。この3つのキャリアモデルを軸にして、社員一人ひとりが自分の将来像を描きながらステップアップすることで、社員自身の成長を促進し、結果的に事業の成長とつながればと思っています。
小泉
「Manager」人財を強化するため、2018年度から「グループリーダー制度」を導入しました。まず、課の中で小規模のグループを率いるリーダーを指名して、リーダーとして課長をサポートしながら、マネジメント能力を身につけていくというものです。マネジメント力を高めるための集合研修も実施しました。
齋藤
「Specialist」を目指したい社員には、育成プログラムとしての「プレ専門人財育成制度」があります。自分が専門性を強化したい領域について会社に認定された社員がプレ専門人財となります。専門性を高めるための学習、研修受講、研究会参加等、本人の計画により専門性を高めていきます。定期的な面談で進捗確認をし、アドバイスを行うなど専門性を高める後押しもしています。
田口
「プレ専門人財育成制度」では、受講する研修などは会社が決めるのではなく、個々人の極めたい領域によって、必要な教育や取り組みの計画を自分で組み立てて実践していくのが特徴です。ですので、特定分野の最先端の研修への参加や、ユニークな研究会での活動を希望する社員もいます。
齋藤
また、「Innovator」の育成プログラムには事業開発人財研修のほかに、「Dream Design Jet(DDJ)」と呼ばれる新規事業開発のためのビジネスプラン公募制度があり、これまでに、eスポーツプレーヤーのためのプラットフォーム事業や、ECサイト向けの分析サービスなど、実際にDDJ発の事業が立ち上がっています。社歴や経験に関係なく、やりたい事業があれば実現できるチャンスがあり、審査を進めていくうえで、事業開発に関するセミナーや外部コンサルタントからのアドバイスなど、事業を実現するためのサポートもあるので、新規事業にチャレンジしたいに社員には心強いはずです。
小泉
今後も自発的に成長しよう、何かに挑戦してみようなど、目的や課題意識をもって会社や社会に貢献していきたいと考えている社員に対しては、学びを進められる環境を提供していきたいと考えています。
----社内インターン制度も多様性のあるJCDならではですね。
齋藤
そうですね。昨年度は、スポーツイベントの運営業務に、他の事業部から社内インターンを募り、開催前日~当日の運営業務を担当してもらいました。普段とは違う業務を本人が希望することで、新たな視点や経験を積むことができるメリットがあります。
田口
大型スポーツイベントのときなどは、世界が注目する大イベントということもあり、各事業部から多くのインターン応募者がありました。他事業部メンバーとの交流機会にもなっていると感じています。
----働き方についても、様々な取り組みをされていますね。
齋藤
2017年度から本格的な働き方改革に取り組んでいます。勤務形態として会社設立当初の基本は、9:30~18:00の1日7.5時間を基本としたパターン勤務制でしたが、その後、フレックスタイム制や在宅勤務制度などを整備してきました。フレックスタイム制の導入は、育児・介護だけではなく、自己研鑽に使う時間や移動時間の短縮なども視野に入れて導入したものです。
田口
在宅勤務の制度も非常に有意義だと思っていて、私も利用したことがあります。育児や介護のためだけでなく、多様な働き方として、社員が様々な理由で在宅勤務を利用しています。
小泉
フレックスタイム制も在宅勤務も時間に対して自由であるため効率的に業務を行うことで成果を上げるという原則に則って管理運用していくことが重要であると考えています。こうした制度により社員が新たな時間を生み出し、創造的な仕事に取り組むことで仕事への活力が生まれ、結果として組織の活性化につながると考えています。
活き活きと働くために、人と人との交流を大切に
-----2019年度から5日以上の有給休暇の取得が義務化されています。JCDではどのように考えていますか。
齋藤
休暇をしっかりとることは、良い仕事をするためにも大切なことだと思います。ネットワークをONにして、プライベートな時間で様々な経験をしたり、社外の人と交流したり、そういうことが今後の業務に活かされるのではないかと思います。社としては、社員が年間の年休消化計画を策定し、計画的に取得していくよう推進をしていきます。
田口
また、2018年から「ダイバーシティ委員会」を立ち上げて、各事業部から選抜された社員と一緒に、どうすれば働きやすい環境になるのかを考える取り組みもしています。
-----様々な制度のほかに、JCDを活性化するための施策について教えてください。
齋藤
社内SNSを活用して自由に情報を発信したり、サークル活動をしたり、親睦会を開催するなど、社内コミュニケーションも活発に行なわれています。
田口
それから、社内外の有識者の話を聞きながら交流する場として「三田マジックアワー」という社内イベントもあります。スペシャリストからのお話を聞いて新しい知識や価値観をインプットするとともに、専門領域が異なる人と交流することができるので、様々な発見の機会にもなっているはずです。さらに2018年度は、社長と社員が直接話す場として、「タウンミーティング」の場を設定しました。オフィスが離れていると、普段頻繁に社長と接する機会がない社員もいますが、こういった場で、少人数で社長と直接コミュニケーションが取れる機会があることで、相互理解につながったのではないかと思います。
新風を巻き起こす仲間と一緒に歩みたい
-----JCDでは今後、どのような方と仕事をしていきたいと考えていますか。
小泉
JCDには多様な事業があるため、これらをさらに強化していくためにも、事業を組み合わせ新たな価値を生み出すような、独自性、専門性の高い人財を求めています。
田口
前職での経験を生かすことが理想だとは思いますが、当社にない要素をもっている方も魅力的ですね。
齋藤
今後もJCDに新しい価値をもたらしてくれるような方と仲間になりたいと思います。ユニークな方は大歓迎ですよ。
-----このような人財がJCDに向いているかも!というポイントがあれば。
小泉
繰り返しになりますが、JCDには8つの事業があり、フィールドがとにかく幅広く、こうした環境で新しいチャレンジをしてみたいと前向きに考えられる方が良いと思います。JCDで実現したいことををしっかりもっている方にはとても良い環境であると思います。
齋藤
当社は一般消費者の方に向けたイベントから、コンベンションや国際会議、そして展示会企画・運営と様々なイベントを手掛けていますが、どれもお客様の伝えたい想いを、リアルな空間に落とし込むことが仕事です。そのためには何より、実際にお客さまの想いを理解し、意見を交わしながら仕事を進めていくスキルが大切です。世の中がデジタルに向かっていっているからこそ、実際に交流することに価値を感じている方にぜひ活躍してもらいたいですね。
田口
新卒採用の方でいうと、ある程度のコミュニケーション能力や、社会人としての基礎的な礼儀などは求められますが、それよりも"JCDでやりたいこと"を明確にもっている前向きな気持ちが、何よりも大切だと思います。
齋藤
確かに「これをしたい」「あれを実現したい」といった気持ちは、本人の心から生まれるもの。もちろん会社の環境にも多少は影響されるとは思いますが、表現してみたい、叶えてみたいことを具体的にもっていると、入社後も仕事が楽しいと思いますし、成長のスピードも速いはずです。
田口
またJCDでは新卒・キャリアを問わず、障がい者の求人も行っています。様々な特性をもった方々と一緒に仕事をすることで、新たな発見や視点が生まれ、さらにイノベーションが生まれる土壌づくりができると考えています。実際にJCDには障がい者アスリートとして競技に出場している社員もいますし、ほかにも多方面で活躍している方がたくさんいます。
小泉
JCDは多様な事業と様々な分野に明るい人財が集まっているからこそ、可能性は無限に広がっています。JCDに入社を希望される方には、是非一緒に新しいムーブメントを起こしていってほしいです。