- 訪日インバウンド促進
- Focus
2019.12.23
複数国を対象としたインバウンドプロモーションでのデジタル活用
対象国によって異なる消費者の嗜好や商習慣、
ポイントはデジタル活用と手法の組み合わせ
インバウンド領域での、デジタル広告、海外の展示会や商談会、クリエイティブ事業などに幅広く携わる大久保と川口。複数国にまたがる大規模な外国人向けプロモーションも成功させてきた両氏が、JTBコミュニケーションデザインが手がけるインバウンドプロモーションを語る。
国やターゲットによって異なる手法
ネイティブ目線のアプローチを提案
川口
2020も間近に迫り、自治体をはじめ、さまざまなお客様からインバウンドに力を入れたいとお声をいただくことが多くなりました。お客様は「外国人」と一言におっしゃるのですが、国によって趣味嗜好が異なるので、アプローチ方法はさまざま。まずは、ターゲットとしたい「外国人」がアジア人なのか、欧米人なのか、また現在どれくらいの人が施設に来ているのかなどをヒアリングして、進めていきます。当社では在日留学生と現地パートナーのネットワークを駆使し、ネイティブ目線を大切にしたご提案を行なっています。
国が消費額拡大の施策を行なっていることもあり、富裕層にターゲットを絞りたいというご相談をいただくことも多くあります。今はデジタルが主流になりつつありますが、実は富裕層の方は紙媒体を好む傾向にあります。それは、自らがインターネットで簡単に得ることができる情報よりも、歴史や背景にあるストーリーに興味がある人が多いからなんです。なので、ただ「景色がきれい」という紹介よりも、そのスポットの背景を詳しく説明した記事広告が効果的で、富裕層向けには紙媒体に力を入れてアプローチしています。
川口
また、お客様から広告の雰囲気を出さないプロモーションをしてほしいという要望もよくいただきます。そういった際には、招請事業が効果的です。海外の旅行会社やメディア、ライターなどを日本に呼んで国内を旅行してもらい、母国での旅行商品造成や、メディアでの発信につなげる事業です。発信者が外国人なので、ターゲットとする国の人の感性で、その国の趣向に合ったスポットを発信していくのが、招請事業のメリットです。
インバウンドプロモーションでは、海外媒体社や海外主催者とのやり取りにおいても難しいところがあります。契約書や申し込み、その後の手続きなど、英語ができても商文化を理解していないと、互いの認識にズレが生じてしまうこともあります。例えば、フランスで広告出稿をする場合は英語のキャッチフレーズであっても、フランス語の注釈を入れる必要があるなど、各国でそれぞれのルールがあります。
大久保
当社では長年の経験から各国での手配実績があるため、そうした細かな部分にも対応することができます。それは、特定の国に限らず世界各国で多国籍のターゲットに向けて海外プロモーションを手がけてきた当社ならではの大きな強みとなっています。
長年培った経験と、専門性の掛け合わせで
ジャンルを超えたプロモーションが可能に
川口
今はWEBサイトをはじめ、SNSやアプリなどを使用したデジタルのインバウンドプロモーションに取り組みたいとのお声が多いです。数年前のトレンドとしては、動画を制作して、それを海外のユーザーに向けて配信するというものでした。ですが、今はその流れを継承しつつ、更に細かいターゲットにアプローチしていきたいというお客様が増えているように思います。
大久保
ヨーロッパ、アメリカ、オセアニア、アジアを中心に40ヵ国に対して、多言語(6言語)でバナー広告を配信するデジタルプロモーションの案件を行いました。ターゲットとする国も多く、訴求しなければならないことも多かったため、AIアナリストを活用することを提案。その結果、ユーザーの動向を的確に結果報告するができました。また、社内の運用担当者が直接クライアントに説明し、フィードバックをもらうことでスピーディにPDCAサイクルを回すことができた点も評価を受けました。当社には、社内に運用チームがいるので、得られたノウハウや改善案を迅速に共有することができます。その情報をもとに、お客様へ最適なご提案をすることができるのも、デジタルプロモーションの利点だと言えるでしょう。
今後、より一層デジタルの存在感は増していきますが、それだけでプロモーションは完結しません。デジタルで得た分析結果を活かしつつ、記事広告や招請旅行、イベント、展示会、クリエィティブ制作とジャンルを超えた手法を組み合わせ、効果を最大限にすることがより求められてくると思います。
川口
当社では、社内でデジタル運用やクリエィティブなど、専門のチームがいます。そのため、分析結果を即座に共有でき、パンフレットやポスター、動画などの制作物に反映することが可能です。また、外国人に対するプロモーション立案の専門チームも社内におり、外国でのプロモーションにも対応することができます。今後もお客様の要望に対して、当社のノウハウと専門性を掛け合わせた幅広いご提案を行なっていきます。