- マーケティング・営業課題
- Case
2024.02.27
「旅に強い」広告コミュニケーションのプロが手掛ける鉄道新型車両デビュープロモーション
旅行プロモーションにおける
JCD独自のプロデュース力
2023年7月、待望の新型車両、東武特急「スペーシア X」が33年ぶりにデビュー。浅草から日光・鬼怒川を駆け抜ける新たなる旅が幕を開けました。JCDはプロモーションの全体設計からクリエイティブまでを担当。顧客の期待に応えるためにどのような提案を行ったのか、コーポレートソリューション部の元が語ります。
1 旅行者と地域双方の視点を持って
プランニングからクリエイティブまで一気通貫
今回、JCDでプロモーションを手掛けた東武鉄道様の「スペーシア X」は、2023年7月にデビューした浅草と日光・鬼怒川を結ぶ新型特急列車です。特急スペーシアの伝統を受け継ぎながら、伝統と革新の融合を目指し、エクステリア・インテリア・パフォーマンスの全てをアップデートした上質な特急です。豊富な座席バリエーションやカフェカウンターを楽しむことができ、移動中においても日光を感じることができます。
この車両のデビューに先立ち、プロモーション設計からポスターや動画などのクリエイティブ制作、そして来年度に向けたプロモーション計画を提案し、プランニングから制作、メディアバイイングまでをトータルで担当しています。また、提案段階からプランニングやクリエイティブのスタッフが携わり、コンセプト整理やターゲット選定といったプロモーション設計から、動画やポスター、パンフレットの企画・制作といったクリエイティブまで一気通貫できるJCDの強みを最大限に活かしてプロジェクトを推進してきました。
さらにもう一つ、多くの観光プロモーション実績があることもJCDの大きな強みです。旅行者と地域を繋ぎ、両者の視点を持ちながら地域の魅力を引き出すような広告コミュニケーションを、これまでに数多く創出してきました。JCDだからこそできる専門領域を活かした提案は、多くのクライアント様に評価いただいている所以だと思います。JCDが手掛けるプロモーションの付加価値を、クライアント様にはできるだけお伝えするようにしています。
2 きめ細やかなプロモーション設計で
クライアントに伴走
東武鉄道様との長いお付き合いの中で、近年はメインとなる広告コミュニケーション活動には参加していませんでした。しかしながら、クライアント様にとっても、地域や沿線住民、観光客にとっても大切な一大イベントである新型車両「スペーシア X」デビューという機会に、当社にできることを突き詰めながらクライアント様に寄り添って関係性を深め、粘り強く、ニーズに合った提案をさせていただいていました。「スペーシア X」デビュー前のインタビュームービー企画は、そういった経緯の中で採用されたものでした。この動画では、車両デザインや開発に携わった方々、車内のカフェ開発を担当した方にインタビューをし、動画を撮影。「その期待を超えてみせる。」というコンセプトで「スペーシア X」に密接に関わってきた方々を紹介していくことで、東武鉄道様の「スペーシア X」にかける想いを表現することができました。このインタビュームービーの高いクオリティが評価され、JCDのプロデュース力やクリエイティブ力を信頼していただけるような関係性が構築できたように思います。
今回の提案では、奇をてらったプロモーション提案というよりも、クライアント様のニーズや当社に求められている役割を理解した上で、コミュニケーションの全体像をロジカルにご提案していくことを意識しました。まずは「スペーシア X」の認知拡大を利用促進のために、運行開始前・直後の時期、運行開始後の時期に焦点を当てました。それぞれの時期におけるターゲット・タイミング・プロモーション手法を整理し、説明を行いました。クライアント様としてもフラッグシップ特急の運行開始という重要な施策を行うにあたって、プロモーションに関する悩みや課題をお持ちになりながら検討されていたところだったと思います。そのなかで、私たちはクライアント様とのコミュニケーションを深めながら、わかりやすく丁寧なプロモーション設計をしていったことが提案の採用に繋がったのだと感じています。
特に「スペーシア X」の特徴である上質さをしっかりと伝えるために、ボディの美しさやエクステリアの高級感を表現することにもこだわりました。運行開始前・直後の時期には、「スペーシア X」自体の存在や名前を知ってもらい興味関心を惹きつけることが重要となるので、最もわかりやすい「車体」を主役にして車両情報の露出を多くし、「スペーシア Xに乗ってみたい」という期待感を醸成。堂々かつ上質なイメージで描き、高揚感を高めることをクリエイティブメッセージとしています。また、これからはじまる運行開始後のプロモーションでは、「スペーシア X」の利用ニーズやシーンを具体的にイメージさせて検討に繋げてもらうために「旅への共感」をテーマに据え、「スペーシアXに乗って日光エリアへ旅行したい!」という気持ちを掻き立てるようなアプローチを検討しました。
3 メディアミックスを利用した手法と
クリエイティブ力で認知拡大へ
プロモーションはあえてベーシックな手法を採用しました。プロモーションの基軸は認知拡大で最も力を発揮するマスメディア(TVCM)とし、交通広告やWEB広告などメディアミックスを幅広く活用し、接触頻度を高めていきました。また、動画やポスターなどのクリエイティブビジュアルは、ストーリー立ての3部作として展開しました。
運行開始前には車両自体を主役とし「あたらしい上質、生まれる。」というキャッチコピーで、「スペーシア X」の魅力である車両の美しさと上質さを訴求しました。撮影は車両基地で行い、「スペーシア X」の魅力である車体の美しさをと上質さを訴求しました。この時はまだデビュー前でしたので、車両を撮影する場所やタイミングが限られていて、撮影ディレクションには本当に苦慮したことを覚えています。
そして運行開始時期のキャッチコピーは「あたらしい時間が、動き出す。」として、自然の風景の中で走行する「スペーシア X」を登場させて旅情感を演出しました。
その後の利用促進を狙う時期には、旅情あふれる「スペースシア X」の姿を表現したビジュアルと、魅力の一つであるインテリアや多様な座席を紹介するビジュアルを制作。「あたらしい感動に向かって。」というキャッチコピーで、「スペーシア X」が提供する旅の感動や未来に向かっていく表現を打ち出しました。
このようなクリエイティブやメディアミックスの効果が功を奏し、動画広告を投下後の調査結果では、一般的なCM認知率と比較しても高い認知率を獲得しました。
JCDでは、今回のようなマスメディアを中心とした王道な広告コミュニケーションはもちろん、AIやデータ解析を用いたデジタルマーケティング、縦型ショートドラマを活用した観光客の誘致促進プロモーションなど、クライアント様のニーズに合わせて効果的な施策を展開しています。ツーリズム産業に関する豊富なノウハウとソリューション、そして高いプランニング力やクリエイティブ力のあるスタッフが社内にいるからこそ、私たち営業担当も自信を持って提案することができています。
今後も、JCDのチーム力を最大限に活かし、「スペーシア X」がより多くの方に長く愛される存在でありつづけられるためのお手伝いをし、クライアント様に寄り添って一緒に走り続けていきたいと思っています。