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2019.08.22
デジタルで変わるイベントマーケティングの未来
クラウド型ソフトウェア「Cvent」で実現する
イベントを起点としたマーケティング支援
MICEの投資効果をクラウドテクノロジーによって可視化し、マーケティング支援の利便性と顧客の新たなビジネス機会の創出に貢献する画期的なツール「Cvent(※)」。JTBコミュニケーションデザインは日本で初めてCvent社(米国)とパートナー契約を締結し、2019年6月1日より日本国内へのサービス導入コンサルティング&販売をスタートしました。
「Cvent」は、イベントマーケティングを推進する上で、グローバル市場においてはすでに主流とも言える画期的なテクノロジーです。しかしながら日本市場では、日本語化や既存システムとの統合・連携を図る上で様々な障壁がありました。この最新かつ斬新なテクノロジーを日本の企業や団体向けにアプローチすべく、ミーティング&コンベンション事業部において「Cvent」国内導入推進の中心となるふたりに、今後の展望について聞きました。
(※)Cventとは・・・
イベントの計画からプロモーション、そして実施に至るまでの各種機能(サービス)を同一プラットフォーム上で実行・管理できるクラウド型のイベントマネジメントソフトウェア(EMS)です。
「Cvent」による新しい体験を提供。
--日本市場におけるイベントマーケティングで、「Cvent」はどのような効果をもたらしますか?
三本
クラウドタイプの 「Cvent」を使ってミーティング・イベントを管理している顧客は、海外では多数存在しています。「Cvent」は20年以上の実績があり、今では全世界で25,000社、30万人のお客様にご利用いただいています。その中で特に外資系企業の日本支社や法人の方々で、MICEに関わりを持つ人たちは、「Cvent」とは何か?を、知っている場合が多いのです。そこで日本市場向けにカスタマイズして展開されるならば、私たちも使ってみたいというニーズがあることは実感しています。
「Cvent」は、イベントの立案・計画から実行後のフォローに至るまで、イベントプランナーから必要とされる様々な機能が備わっているだけでなく、イベントへの参加者同士の交流といったイベント開催時、参加登録時、事前案内時、事後フォローなどでリアルタイムかつインタラクティブ性の高い様々な機能や仕掛けが用意されています。つまり、イベントプランナーの視点だけでなく、参加者の視点でもミーティング・イベントそのものの価値を高めることができます。これは今までアナログな世界では、到底成し得なかった新しい体験をもたらしてくれるものです。
近藤
イベントの仕事をどうやってテクノロジーを使って効率化するのか。また、どうすれば事業拡大をしていけるのかが、今後大きな関心事となってくるでしょう。ただ私たちがいくらITやテクノロジーを知っていたとしても、イベントを根本的に知らないとEMS(event management software)は機能しないと思っています。
あくまでも大前提として、EMSを使うのはイベントを実行するすべての人たちです。ですから私のような長年イベントに携わってきた人間が、今までの経験や知識をこのシステムに入れていかなければならないはずです。そこにJCDミーティング&コンベンション事業部とデジタルチームの存在価値があると思います
--今後ミーティング&コンベンション事業部のデジタルチームが目指す方向性は?
三本
お客様が開催するイベントに「Cvent」を導入することで、イベントを起点にしたマーケティング支援をしていく。つまりこのテクノロジーを使って、ビジネスモデルの変革を促していきたいと考えています。アナログとは違って、デジタルテクノロジーは顧客との継続的で中長期的な関係性を築くには最適なツールです。デジタルチームの方向性としては、そこがひとつのキーワードだと思っています。
当面は「Cvent」を通じて、お客様のイベントのマーケティングにおける価値を高めるために、その基盤、システム作りをしていきます。将来的には、グローバル企業はもとより、中小企業でも気軽に使っていただけるようなビジネス・サービスモデルの構築にチャレンジしていきたいですね。「Cvent」の認知度を高めて、利用者の裾野を広げると言ったらわかりやすいでしょうか。
近藤
「Cvent」はあくまでも手段でありアイテムです。私たちはクラウド型のマーケティング・マネジメントシステムを通して、デジタルを使った事業の拡大を目指していきます。今までのJCDのイベント事業で行われてきたイベント運営のノウハウを最大限生かしながら、それに加えてITを駆使してイベントを捉えていくという着眼点をもって、事業の拡大を目指していきます。
三本
日本ではまだ無名の存在ですが、ワールドワイドでみてみると、「Cvent」のマーケット専有率は6〜7割くらいの規模を占めています。ですから私たちが関わることで、顧客のビジネスを通してその価値を高めていく必要があります。
イベントデータからマーケティングの価値を高めるシステム
--数あるイベントマネジメントソフトウェアの中で「Cvent」の強みは?
三本
改めて言うまでもありませんが、JCDはイベントに関するビジネスが得意です。受付の機械がデジタル化されたり、申し込みのWeb制作が簡単になったり、告知の自動化などの利便性にフォーカスされがちですが、「Cvent」で一番メインに訴求したいことは、イベントひとつひとつのデータを取得し、それを比較したり、分析することで、得られるマーケティングデータの集積が可能になることです。つまりイベントのデータを起点としたマーケティングの価値が高められることです。
「Cvent」の強みとしては、マーケティングオートメーションやCRMとの連携が標準機能としてオプション付帯していること。ターゲティングした特定のお客様にメールを送ったり、営業活動に活かせる利便性の高いシステムが備わっているのはなによりも強みですね。
近藤
お客様の方がイベントマーケティングについては感度が高いと常々感じています。特にマーケティング担当の方は、新しい方法や技術を欲していますね。
--もっと価値を高めるための改善点など、考えていることはありますか?
三本
やはり日本市場向けへのカスタマイズが一番の課題でしょう。具体的な例を挙げるとすれば、漢字圏向けの名前の最適化がわかりやすいと思います。英語圏では名前はファーストネーム→ラストネームの順に表記しますが、日本では姓→名の順です。シンプルなことですが、使い勝手には大きな影響を与えますからね。
--ITが苦手な方には一見難しいように思えますが。
三本
オンラインのナレッジベースやサポートも充実していますし、使い慣れてしまえばそれほど障害にはなりません。またITの特別な知識が必要というものでもありません。パソコンとインターネットがあればどこでも、誰でも使えます。しかしながら、慣れないうちはどうしてもサポートが必要になる場面があると思います。その点をJCDのサポートスタッフが対応していきます。
--導入メリットがある業種などはありますか?
三本
基本はフラットに考えています。年に数回以上ミーティング・イベントがあるIT業界やMRなどが活躍する製薬業界は親和性が高いでしょう。特定の業界においては、高いコンプライアンスが求められる場面が出てきています。これらの要求に対応したミーティング・イベントをサポートできるようなソリューションも提供していきたいと思います。
ただ業種で考えるというよりも、ミーティングやイベントの回数が多いところは、投資対効果が可視化できるので、総じてメリットを感じられるはずです。
近藤
業種や企業規模によるアプローチは、そもそも考えていません。それよりもひとつの企業が大小を様々な規模のイベントに取り組んでいる中で、EMSを取り入れていただき、お客様がその効果や価値、利便性を感じていただくことが我々の目標にもなっています。またそこから新たなビジネスが生まれることを目指しています。
--ミーティング&コンベンション事業部として今後デジタルチームが手掛けたい仕事はありますか?
近藤
最終的な目標として、私たちはEMSを通してイベントマーケティング支援の領域まで到達させるという考えを持っています。Cventとの先にMAやCRMをつないだイベントマーケティング支援というビジネスを、デジタルを最大限利用して確立し、お客様にご提供し新たなコミュニケーションを創造したいと考えております。
三本
マーケティングを支援していくビジネスの基盤づくりを、JCDの中で作っていきたいですね。将来的にはJCDにおいてミーティング・イベントに関わる仕事はすべて、デジタルチームで支えられるような仕組み作りができれば喜ばしく思います。ミーティング・イベントを起点にして、このサービスを導入した方々が、もっとこのシステムを使って良かったと実感してもらえることが、我々が目指すべきところです。
イベントマーケティング支援という、
その先を目指したコミュニケーションデザイン
--デジタルチームの取り組みは、どのように「コミュニケーションをデザイン」していくのでしょうか?
三本
イベントマーケティングという目的に到達するなかに、コミュニケーションがあると思っています。ひとつは参加者同士がその会場内でとるコミュニケーションを、「Cvent」のようなツールを使って活性化させることでよりイベントの価値を高めること。もう一つは企業の担当者とお客様の関係を将来的に発展させるツールになり得ることだと考えます。
参加者同士のコミュニケーションを活性化させるツールとしても「Cvent」は重要な要素を持っています。コミュニケーションをデザインするために、ディバイスを使った仕掛けが「Cvent」には用意されています。デジタルを上手く使うことでコミュニケーションの可能性は、さらに広がるのではないでしょうか。
近藤
お客様や社内のチームと、リアルなコミュニケーションとることは仕事上の大前提です。しかしながら私たちが目指すコミュニケーションのもう一つの形としてウェブ上におけるコミュニケーションを可能にすることです。つまり将来的にイベントプラットフォームを作ることでイベントに携わる全て人たちのウェブ上のコミュニティを創造し、もっとコミュニケーションを進化させなければいけないと思っています。そのはじめとして「Cvent」をデジタルチームの事業の核に据え、イベントマーケティング支援の取り組みも進めたいと思っています。
<ご参考>